アトピーは遺伝するのか?
親のアトピーは子供に遺伝すると思いますか?
現代は三人に一人がアレルギー疾患にかかっており、アトピー性皮膚炎の患者さんも増加してきています。
また、厚生省のアトピー性皮膚炎の実態調査では、家系にアトピー性皮膚炎の人がいる家庭では同じようにアトピーになっている子供が多くなっており、家族に他のアレルギー疾患がある場合でもアトピー性皮膚炎は同じように多くなっています。
やはり遺伝は関係しているようですが、しかし、これはアレルギー疾患そのものが遺伝するのではなく、なりやすい体質が遺伝すると考えたほうが良いでしょう。
したがって、アトピー性皮膚炎が多い家系なら、アレルギー性鼻炎やじんましんなど、他のアレルギー疾患も出ることもあります。
とは言え、抗体を作りやすい体質というのは100%遺伝するという訳ではありません。
父親と母親の両方がともにアレルギー疾患があるようなら、子供にもに現れる確率は50%と言われています。
両親のどちらかがアレルギー疾患を持つ場合なら、遺伝する確率はおよそ20%に減ります。
現代の医学をもってしても、遺伝の仕組みははっきり分かっていませんが、父親よりも母親が生まれつきのアトピー素因を持っているほうが、子供がアトピー性皮膚炎になりやすいようです。
いずれにしても、例え両親がアトピーでも悲観することはありません。環境因子さえ良くすれば遺伝は防ぐことが出来るからです。
なお、子供取り巻く環境には、両親からの遺伝情報の他にも、食事や住まい(家屋の構造、ダニの増加、室内汚染)、ストレスにより自律神経の乱れが起きて、内臓を過敏になるなどがあります。