幼児のアトピー性皮膚炎の症状
幼児期のアトピー性皮膚炎の症状をご存じですか?
乳児(赤ちゃん)の強い痒みを伴う湿疹は、成長に伴って2歳頃までに一旦落ち着いてくることが多いですが、一定の期間良くなった後に、幼児期のアトピー性皮膚炎の症状が出てきます。(ほんの僅かですが、2歳くらいまでに完治する場合もあります。)
乳児で皮膚が湿っていたのが、3歳から4歳頃に成長してくると皮膚が乾燥しはじめむず痒くなり、かいてしまってひっかき傷が出来て、そこから細菌が侵入して水疱や 黄白色の膿疱などのトビヒになったりします。
そして、幼児期のアトピー性皮膚炎には2種類の特有の症状があらわれます
一つ目は背中や足や腕の外側などに、褐色ないしは赤褐色の皮膚から半球状に盛り上がった、大きさは5ミリ以下の発疹である丘疹が続けて出来ることです。
これは毛穴と合致しているので、ひと目みると鳥肌のようにも見えますが、痒みがとても強く、ひっかいてしまうのでより大きくなって悪化してきます。
また、ひっかく為にかさぶたや組織表面の皮膚が欠損したびらんも出来てしまい、このようなタイプを、痒疹(ようしん)型アトピー性皮膚炎と呼ばれています。
このような症状は成長して思春期に近づくにしたがって回復してくることが多いです。
二つ目は、 苔癬化といって皮膚が強く乾燥し、膝や肘の裏側の皮膚が厚くなって、象の肌のようなごわごわしたシワが多く出来てしまう状態になることです。
これも強い痒みがあることから、ひっかき傷が多くなり、顔や首にも現れることもあります。
いずれにしても、幼児のアトピー性皮膚炎の症状は痒みが継続的におそってくるので、かいてしまうと湿疹がさらに悪化しなかなか治りにくくなります。
その為、まずは痒みなどの症状を抑えることが大切になり、あまり症状が酷い時には、ステロイド剤を使わないで治すのは、かなり難しいものです。